甲源一刀流練武道場「燿武館」を見学させていただきました

剣道場探訪記

甲源一刀流練武道場「燿武館」を見学させていただきました

甲源一刀流練武道場「燿武館」は、安永初期に建築された道場です。
安永初期とは西暦1770年ころ、今から240年前です。
甲源一刀流宗家の逸見知夫治さんにも直接お話を伺えました。

 

突き技の稽古の名残

 

「剣の修行は、道場で行うよりも
神社や山中など、もっと神秘的な場所で行うべきものだ」
「板の間なんかでの稽古は何の役にも立たないですよ」とおっしゃっていたのが印象的でした。

以前は、全国からこちらの道場に200人くらい稽古に訪れていたそうです。
全国から集まった剣士には、門弟の家にも寝泊りさせていたそうです。
もちろん道場内ではそんなに大勢では稽古することはできませんので、
道場表の畑や田んぼで修行に励んでいたそうです。
稽古の帰りには多少の宿賃を渡されていたそうです。

甲源一刀流の資料館も見学させていただきました。

甲源一刀流では、体の大きさに合わせて木刀を選んでいます。
背の高い人には長い木刀で、低い人には短い木刀でといった具合です。
木刀の柄の長さもはっきり違っています。

現代剣道とはかけ離れていますが、
直接逸見さまから昔のお話が聞けてとても新鮮でした。

私は、神社や教会以外で
「神聖な・・・」や「神秘的な・・・」などほとんど聞くことがなかったので
剣の中にもこんな言葉が受け継がれているんだと感動してしまいました。
受け継ぐことの大切さをしみじみ感じます。