剣道場床には稽古中の足腰怪我予防のため弾力性(クッション性能)が必要である

本格的な弾性床構造の剣道場とは

本格的な剣道場床とは総括してなにが大切なのでしょうか?
材料の厚み・長さ・幅、塗装、耐久性、工法等々、様々な要素があります。上記のいずれかが欠落しても素晴らしい剣道場床は出来ません。

一番に考えるべきことは「剣士の安全」です。

剣道場は安全につくられること、とは当たり前に聞くようなことではありますが柔道場とは違いこれまでは、あまり研究されてきませんでした。

剣道は格闘技ですが、竹刀・剣道具を使用する為、身体を接触することが少なく、他のスポーツより外傷の機会は少ないと考えられています。剣道でよく聞く怪我としては、アキレス腱の断裂、ふくらはぎの肉離れ、踵の痛み、腰痛など下半身の怪我が多い様に思います。
出来る限り怪我の少ない安全な剣道場を作るためにはどうすればよいでしょうか。

安全な剣道場床をつくるため、

床材の樹種
剣道場床に使用される樹種も様々です。床材のサイズ
杉(スギ)・桧(ヒノキ)・松(マツ)などの針葉樹床材のサイズ
樺(カバ)・桜(サクラ)・楢(ナラ)などの広葉樹床材のサイズ

針葉樹の中でも…床材のサイズ
杉、桧、松それぞれのの無垢材と集成材のサイズ

広葉樹の中にも
樺、サクラ、ナラそれぞれの無垢材と集成材と合板フロアー材

まだまだ産地や樹齢、等級なども加わります。
組み合わせは星の数ほど出てくると思います。

床材のサイズ
剣道人の中では、一寸二分(36㎜)以上の厚さが良いとよく耳にします。
剣道場床下構造でも変わってくるはずなのでいかがなものかと…

当社では一寸(30㎜)厚の床板を使用する事が多いです。
ご要望があればその他の厚みにも対応が可能です。

幅についてはどうでしょう?
同じ丸太から切りだして同じように乾燥加工した床板の場合、10cm幅と20cm幅ではどの様な違いがるのでしょう。

上記の床板が収縮する割合はほぼ同じだと言われています。
例えば1%縮むとすると、実寸としての動きは10cm幅では1mm。20cm幅では2mmとなります。剣道場床板の幅を揃えずに剣道場床を工事するとすき間がバラバラに現れる事になりかねません。

クッション
剣道場床建築工房の剣道場用ゴムクッションは自社開発品です。自社開発製造品の為、子供から大人の剣士まで最適なゴム硬度での製造が可能です。剣道場床に最適な硬度を保たせる為に化学合成ゴムを使用しております。当社の剣道場床専用のゴムクッションには「剣道場床専用」の刻印がございます。

天然ゴムは、条件によっては硬化が非常に早く剣道場床としての弾力性を保つことができなくなる可能性が有ります。昭和電線社製の既製品を自社開発商品と偽って販売する業者がいるようなので注意が必要です。

工法・構造
現在、剣道場床の工法も様々です。体育館仕様の鋼製束を使用する剣道場が一番多いと思います。鋼製束は、剣道場床用にクッション性を持たせることができません。剣道場床に適した柔らかさを持たせようとすると鋼製束は立っていられません。コケてしまいます。

プライドを捨て当社と同じ工法だと偽る業者もいるようですが、木材の品質、職人の熟練度、これまでに至る膨大なデータ収集反映など全く当社と同じ工法は存在しません。

施工
基本的に剣道場床の施工は熟練専門職人が施工します。作業自体は通常の大工で施工できそうに見えますが同じ作業を何度も繰り返すために、職人が変わると仕上がりも変わります。東北地方から九州まで広い範囲でお伺させて頂いております。昨今では、フランス、イタリア、アゼルバイジャン、韓国など海外からもお問い合わせを頂いております。

床材の樹種・床材のサイズ・クッション・剣道場床工法・施工

これらをうまく組み合わせることで、
・安全性の保持
・長持ちする剣道場
・コストの低減
が可能です。

しかし、これを実現するためにはもちろん「木材を吟味する知識、工法や施工の知識、剣道の経験」が必要になります。材木商であり、建設業であり、剣士であることが求められます。剣道場床建築工房は上記の3つを併せ持つ稀有な存在です。

この何れかが欠けても安全な剣道場床にはなりません。
素人が施工したり、道場床工事経験の無い大工が施工したり、既製品のゴムクッションを悪用したり、トレーサビリティーが確認できない木材を使用したり、製材乾燥がまるでできていない木材を使用したり、この様な事をする業者もいるかもしれません。

剣道場床建築工房を運営する株式会社五感では、日本武道学会にも賛助会員として積極的に参加し剣道場床の研究に取り組んでおります。

今後も剣道が、また、木材業界が発展していくために邁進していく所存です。
剣道場床工事の際は一度ご相談いただければと思います。

  1. 本格的な弾性床構造の剣道場とは
  2. 最適な塗装とは